
「「象は鼻が長い」の主語、
分かりますか?
象?鼻?」
これは
YouTubeチャンネル
「ゆる言語学ラジオ」で
いちばん再生されている動画の
概要欄の書き出しです。
ゆる言語学ラジオは
水野太貴さんと
堀元見さんの2人が、
言葉の話をするチャンネルです。
登録者は
2026年9月27日の実測で
57.3万人でした。
言語学という
かなり硬そうな題材で、
どうしてここまで
見られているのでしょうね。
今回は2人のプロフィールから始めて、
よく見られている動画と
それぞれの本、
そしてお互いの本に書いた書評までを
順番にたどってみますね。
ゆる言語学ラジオは、どんなチャンネル?
チャンネルの説明欄には
「ゆるく楽しく
言語の話をするラジオです」
とあります。
「springはなぜ春もバネも
意味するの?」のような
身近な話題から入り、
目指しているのは
「言語学の二歩くらい手前の
知識が身につくラジオ」だそうです。
説明欄には
「YouTubeとPodcastで
配信中!」ともあり、
音声だけでも聞ける
番組なんですね。
チャンネルが
作られたのは
2021年3月10日です。
いま残っている
いちばん古い動画は、
翌日の3月11日に公開された
「「イルカも喋る」は大ウソ
【言語学って何?】#1」でした。
この初回では、
言語学の祖とされる
ソシュールの考え方を紹介して、
「単語はすごい」を
その日の結論にしています。
雑談の形で
学問に入っていく今の形が、
初回から
できあがっていたようです。
最近の動画は
火曜日の18時45分に
公開されることが多く、
2026年3月から9月までの
直近30本のうち27本が
この時刻でした。
直近の公開は
2026年9月22日です。
話し手の水野太貴さん、聞き手の堀元見さん
新潮社の著者紹介では、
水野太貴さんは
「ゆる言語学ラジオ」で
「話し手を務める」、
堀元見さんは
「聞き手を務める」とあります。
読み方は
水野太貴(みずの・だいき)さん、
堀元見(ほりもと・けん)さんで、
これも同じ
著者紹介に書かれています。
チャンネルの最新の動画の
概要欄には
2人のプロフィールが
載っています。
水野さんは
「1995年生まれ。愛知県出身。
名古屋大学文学部卒。
専攻は言語学。
本業は雑誌編集者。」とあります。
同じ欄には
Podcast「神保町で会いましょう」の
パーソナリティも務めている、
と書かれています。
言語学を専攻した編集者が
話し手に回っている、
という組み合わせなんですね。
堀元さんのほうは、
同じ概要欄で
「慶應義塾大学理工学部卒。
専攻は情報工学。」
とあります。
生まれと出身は
新潮社の著者紹介のほうに
「1992年生まれ。北海道出身。」
と載っています。
新潮社の紹介では
「作家とYouTuberの
ハイブリッド」とも書かれていて、
著書には
『教養悪口本』(光文社)も
挙がっています。
言語学の専門家ではない側が
聞き手を務めているので、
視聴者と同じ目線で
質問できるのかもしれませんね。
いちばん見られているのは「象は鼻が長い」の回
公開済みの501本の再生回数を
こちらで取って並べたところ、
いちばん多かったのは
2021年3月23日の回で、
182万回でした
(2026年9月27日の実測)。
題名は
「「象は鼻が長い」の謎-
日本語学者が100年戦う
一大ミステリー #10」です。
概要欄には
「実は「日本語学者も
文法的にどうなってるのか
分からない」のです。」
とあります。
100年にわたる学者たちの説を
順に追っていく回で、
目次には
「提示された最強の
「主語抹殺理論」」
という項目もあります。
題名の「ミステリー」は
大げさではないのでしょうね。
2位は
2024年10月の
「ちょいガチ言語学ラジオ
「意味論」#375」、
3位は
2023年10月の
音韻論を3時間で扱った回でした。
長い専門的な回が
上位に並んでいるのは
少し意外ですね。
「誤った情報が含まれている可能性があります」
このチャンネルで
目を引くのは、
説明欄にこう書いてあることです。
「誤った情報が
含まれている可能性があります。
諸説あるものも多いです。」
実際に、
いちばん見られている
「象は鼻が長い」の回の
概要欄には
「※追記」があります。
参考にした本の一部に
問題があるようだとして、
「本動画にも誤りが
含まれてしまいました。
申し訳ございません。」
と書かれています。
2026年9月22日の最新の動画でも、
概要欄の冒頭に
「ご視聴前にお読みください」
という断り書きがあります。
典拠にした本の正確性に
批判があることを
先に知らせていて、
目次には
「怪しいソースを元に
話してしまいました」
という項目まであります。
間違えたら
間違えたと書く、という断り書きが、
2021年の回にも
2026年の回にも
残っているんですね。
学問の話をするチャンネルとして、
ここが信頼されている理由の
ひとつなのかもしれませんね。
水野太貴さんの『会話の0.2秒を言語学する』
水野さんの単著
『会話の0.2秒を言語学する』は、
2025年8月27日に
新潮社から発売されました。
定価は1,760円(税込)です。
新潮社の
2026年2月6日の発表では、
「紀伊國屋じんぶん大賞 2026
読者と選ぶ人文書ベスト30」で
2位に選ばれ、
6刷目の重版が決まったとしています。
その後の
2026年9月15日の発表では、
累計が
9万2千部(電子書籍含む)を
突破したとされています。
同じ発表では
「書店員が選ぶ
ノンフィクション大賞2026」に
ノミネートされたともあります。
候補は45作品で、
結果はこちらでは確かめていません。
発売にあたってのコメントで
水野さんは、
「30歳になるまでに、
単著を出したい」という約束を
果たせた、と書いています。
「2年間社交を捨てて
じっくりリサーチを進め」た
一冊だそうです。
新潮社の書籍ページには、
相方の堀元さんが
「最高の浅瀬弾丸ツアー
みたいな本」という書評を
寄せています。
その書き出しは
「良質な知識エンタメには、
必ず良い問いがある。」でした。
堀元見さんの『下ネタ大全』と、水野さんの書評
堀元さんの単著
『読むだけでグングン頭が良くなる
下ネタ大全』は、
2025年5月14日に
同じく新潮社から出ています。
2025年7月18日の新潮社の発表では
5刷が決まり、
7月14日の読売新聞夕刊
「本よみうり堂」の書評欄でも
取り上げられたとしています。
2026年4月22日には
この本を原案にしたコミック
『超知的!しもねた部』が
発売されていて、
漫画は福岡太朗さん、
監修が堀元さんです。
このときの発表では
原案の本は
「現在10刷」と書かれていました。
こちらの
書籍ページには、
今度は水野さんが
「「ゆる言語学ラジオ」相方より」
という書評を寄せています。
「幸運なことに、
著者の堀元さんは
面白い雑学を見極めるセンスと、
それを適切に配列し、
良質なコンテンツに変える
構成能力に長けている。」
と持ち上げたすぐあとに、
「ところが不幸なことに、
彼はその才能を
余すところなく無駄遣いした。」
と続けています。
ほめてから落とす運び方は、
番組での2人の掛け合いを
思わせる書き方ですね。
新潮社によると
水野さんは X で
「少し前にお互いの本を
書評し合った」と
投稿していたそうです。
話し手と聞き手が、
本では書き手と評者を
入れ替えていた、
ということになりそうです。
共著の『言語沼』、監修の先生、姉妹チャンネル
2人には共著もあります。
最新の動画の概要欄では
「我々の初の著書『言語沼』」
と紹介されています。
新潮社の著者紹介では
『言語オタクが友だちに
700日間語り続けて
引きずり込んだ言語沼』
(バリューブックス)
として挙がっています。
番組には
専門家の協力もあります。
東京書籍の2026年8月6日の発表によると、
秀明大学准教授の
高田祥司さんが
「監修として協力」しています。
その高田さんの本
『文法、どこにありますか?』を
水野さんが推薦していて、
番組の外でも
つながりが続いているんですね。
また、
2021年10月には
このチャンネルの中で
コンピュータの話をする
「ゆるコンピュータ科学ラジオ」の
回が始まっています。
最新の概要欄では
「姉妹チャンネル」として
案内されていて、
実店舗プロジェクトの
「ゆる学徒カフェ」の
チャンネルも並んでいます。
カフェのいまの営業状況は
こちらでは確かめていません。
2人そろってのサイン会も
開かれていて、
2025年11月の新潮社の告知では、
博多、名古屋、札幌に続く
4度目として
紀伊國屋書店梅田本店での
開催を案内していました。
まとめ
ゆる言語学ラジオは、
言語学を専攻した
水野太貴さんが話し手、
情報工学を専攻した
堀元見さんが聞き手を務める
チャンネルです。
登録者は
2026年9月27日の実測で
57.3万人でした。
いちばん見られているのは
「象は鼻が長い」の回で、
その概要欄には
誤りを認める追記も
残されています。
水野さんの
『会話の0.2秒を言語学する』は
紀伊國屋じんぶん大賞2026で2位、
堀元さんの『下ネタ大全』は
コミックの原案にもなりました。
お互いの本に書いた書評を読むと、
番組の2人の距離感が
そのまま伝わってくるようです。
気になった方は、
まず「象は鼻が長い」の回から
聞いてみてはいかがでしょうか。


















