
ドキュメンタリー番組
『情熱大陸』の
ナレーションで
おなじみの声があります。
ナレーターの
窪田等さんの声です。
その窪田さんが、
YouTubeで芥川龍之介や
太宰治の小説を
朗読していることを
ご存じでしょうか。
今回は報道と
本人のチャンネルの記録をもとに、
ナレーターとしての歩みと、
コロナ禍に始めた
朗読チャンネル
「窪田等の世界」をたどります。
窪田等さんの経歴
まずは経歴から
見ていきましょう。
文春オンラインの記事の
人物紹介によると、
窪田さんは1951年、
山梨県の生まれです。
所属事務所の
シグマ・セブンの
プロフィールでは、
誕生日は3月27日と
されています。
この2つから数えると、
2026年10月の時点で
75歳ということになります。
最初からナレーターを
目指していたわけでは
ありません。
週刊女性PRIMEの記事によると、
高校を出たあとは
富士通に就職し、
技術者として
働いていました。
転機は、
通勤の電車で見かけた
CMナレーター養成講座の
中づり広告でした。
仕事が終わると
銀座の講座まで
通ったといいます。
ORICON NEWSの特集は、
ナレーターとしてデビューしたのは
23歳のときで、
勤めていた会社を辞めての
転身だったと伝えています。
デイリースポーツの記事では、
デビューは1974年、
CMナレーターとしてでした。
F1から『情熱大陸』へ
窪田さんの名前が
広く知られるようになったのは、
テレビの仕事からです。
ORICON NEWSによると、
1994年からは
フジテレビ系の
『F1グランプリ』で、
オープニングや総集編の
ナレーションを担当しました。
アイルトン・セナの
追悼番組では、
感極まって
途中で原稿が読めなく
なってしまったといいます。
その『F1』の声を聞いた
番組プロデューサーから
オファーを受けたのが、
『情熱大陸』でした。
文春オンラインによると、
1998年4月の初回から
ナレーションを担当しています。
番組公式サイトの
2026年10月11日放送回の
スタッフ欄にも、
ナレーターとして
窪田さんの名前が
載っていました。
週刊女性PRIMEは2024年に、
放送は1300回を超え、
窪田さんが休んだのは
1回だけだと伝えていました。
番組の声を
ほとんど途切れさせずに
届けてきたことになりますね。
同じ記事で窪田さんは、
機械的に調整したものと
映像を見て間を取りながら
読んだものは違うと話し、
「AIにはまねできないところ(笑)」
と語っています。
半世紀にわたって
声の仕事を続けてきた人の、
自負がにじむ一言ですね。
2017年12月には、
神戸の屋外から
生放送でナレーションを
つけるという
珍しい回もありました。
そこでは「神戸の港から、
少し早いけれど、
メリークリスマス!」と
アドリブを入れています。
2021年の
デイリースポーツの記事では、
任天堂のCMなどの
ナレーションも
務めていると紹介されていました。
声を聞けば
「あの声だ」と
気づく人も多いのではないでしょうか。
マイナビニュースの記事によると、
2025年10月には
立木文彦さん、服部潤さんと
3人でTVerのCMに
声で出演しています。
この記事でも窪田さんは
『情熱大陸』などを担当する
ナレーターとして紹介されていました。
YouTube「窪田等の世界」を開設
ここからは
YouTubeの話です。
ORICON NEWSによると、
2020年春のコロナ禍に
「人に楽しんでもらえるような
何かができないか」
という思いから、
名作小説の朗読の配信を
始めたと伝えています。
週刊女性PRIMEのインタビューでは、
『情熱大陸』の収録が
リモートになり、
自宅にマイクが届いたことが
きっかけだったと
語っています。
パソコンに挿せば録音できるので、
自分でも発信できると
思ったと話しています。
チャンネルの記録では、
開設は2020年4月21日です。
最初に公開されたのは
4月29日の
宮沢賢治『雨ニモマケズ』で、
2分半ほどの朗読でした。
チャンネルの概要欄には
「あなたの心の励ましに
なることができれば幸いです。」
と書かれています。
励ましになる何かを、
という始まりの思いが
そのまま残っているようです。
一人で録り直す朗読のこだわり
YouTubeの収録は、
番組の仕事とは
勝手が違うようです。
ORICON NEWSの取材に、
窪田さんは
「YouTubeは自分一人」と
話しています。
「しました」の「ま」が
少し汚いかもしれない、
といった細かいことまで
気になると明かしています。
家で録っているので
際限なく録り直せてしまい、
「本当に苦しい」。
それでも
「でも楽しいの」と
続けていました。
週刊女性PRIMEによると、
夜中の3時過ぎまで
収録を続けることも
珍しくないとのことです。
本人は「4年間毎週続けている」
という言葉に続けて、
「ナレーションの神様が
いるんですかね」と
話していました。
チャンネルには、
収録の様子を
短く見せた動画もあります。
青空文庫の名作を毎週のように
読んでいるのは、
著作権の切れた作品を集めた
「青空文庫」の名作です。
芥川龍之介、太宰治、
宮沢賢治、森鴎外などが
並んでいます。
公開した動画の本数を
年ごとに数えると、
2021年から2025年までは
毎年51本から60本でした。
ほぼ毎週のペースで
続いていることになります。
2021年以降の題名には
「作業用BGMや睡眠導入」
「おやすみ前」といった
言葉が添えられています。
寝る前や作業の合間に、
聞き流してもらうことを
意識しているのでしょう。
2026年10月12日に測ったところ、
最も再生されていたのは
2021年7月に公開された
芥川龍之介の『杜子春』で、
約231万回でした。
次いで太宰治の『嘘』が
約139万回、
芥川龍之介の『運』が
約129万回と続きます。
芥川の作品が
特に聞かれているようですね。
同じ日の実測で、
公開されている動画は356本、
チャンネル登録者は30万人、
総再生回数は
約4737万回でした。
2024年10月には、
KADOKAWAから著書
『唯一無二の「声」と「間」で紡ぐ
情熱が伝わる言葉の力』も
出版されています。
チャンネルの概要欄でも
紹介されている1冊です。
まとめ
窪田等さんは、
1974年にCMナレーターとして
デビューし、
1998年の初回から
2026年10月の放送まで
『情熱大陸』の声を
務めているナレーターです。
2020年春のコロナ禍には、
自宅に届いたマイクをきっかけに
YouTubeで名作の朗読を始めました。
一人で録り直しを重ねながら、
今もほぼ毎週、
新しい作品を公開しています。
テレビで聞き慣れた声で
芥川や太宰を聞けるのは、
なんとも贅沢な時間ですね。
眠れない夜に
1本聞いてみるのも
いいかもしれません。



















