
「寿司屋にはなりたくない」。
そう思って大学へ進んだ人が、
いまは寿司を握る短い動画で
世界中から客を呼んでいます。
愛知県春日井市の寿司店
「寿司竹」の2代目大将で、
SNSでは「シェフヒロ」と名乗る
寿司職人です。
YouTubeの登録者は
180万人を超え、
2024年にはTikTokの年間の賞で
「International Creator of the Year」を
受賞しました。
今回は、
地元のテレビ局2社の取材と、
人材大手パーソルグループのメディアに
本人が語ったインタビュー、
TikTok Japanの発表をもとに、
シェフヒロさんを紹介しますね。
シェフヒロのプロフィール
名前:シェフヒロ(Chef Hiro)
仕事:寿司職人/寿司竹の2代目大将
店:愛知県春日井市の「寿司竹」
YouTube:Chef Hiro
受賞:TikTokの賞(2024年)
東海テレビの2024年3月の記事は、
本名を竹岡広行さんとして紹介していて、
当時の年齢は50歳でした。
2026年10月時点では、
逆算で52〜53歳前後になります。
パーソルグループのメディアも
同じ名前で取材しています。
この記事では、
SNSでの名前の
シェフヒロさんで書いていきますね。
「2代目の寿司なんか食べられるか」
東海テレビの取材で、
シェフヒロさんは
こう振り返っています。
「もともとはお寿司屋さんに
なりたくなくて大学へ進んで」
いたものの、
在学中に家の事情があり、
店に戻ることになったそうです。
パーソルグループのメディア
「スタジオパーソル」の
インタビューによると、
寿司竹はもともと
お母さんが営んでいた店です。
大学で学んでいたのは経営学。
「自分で会社を立ち上げて、
社会問題や地域の課題を解決したい」
と漠然と考えていたといいます。
大学をやめ、
1996年からカウンターに立ちますが、
最初はつらいことばかりでした。
大将が握った寿司を
自分が出しただけで、
「なんだこの寿司は!」と
お客さんに投げつけられた日も
あったそうです。
東海テレビには、
「2代目の寿司なんか食べられるか」
と言われたとも話しています。
これは、
かなりこたえたでしょうね。
近所の娘さんに作った雑炊
気持ちが変わったのは、
20代後半のころだそうです。
ある定休日、
近所の女性から、
大人になった娘さんが
ご飯を食べてくれないと
相談されました。
シェフヒロさんが
娘さんの好きな
「シャケとイクラの雑炊」を
作って届けると、
「美味しい、美味しい」と
食べてくれたといいます。
それまでは、
自分が握ってもいない寿司まで
けなされていた人です。
インタビューでは
「初めて、寿司屋としての自分を
認められた気がした」と
話しています。
その後、
2006年に32歳で
店のリニューアルとともに
カウンターの中心に立つように
なりました。
目標は「一人前」ではなく、
「今日は昨日の自分より
もっと上手になろう」
だったそうです。
地道な人なんですね。
45歳で始めたSNSと、海外向けの動画
40代に入ったころ、
「これで人生終わりたくないな」
と思ったといいます。
席の数が限られた寿司屋は、
繁盛しても売り上げを
大きく伸ばせない、
というもどかしさもあったそうです。
日本に5Gが来ると知って
「これからは動画の時代だな」
と考え、
2019年の末、
45歳でInstagramに
「シェフヒロ」のアカウントを
作ったそうです。
最初から
海外向けに発信すると
決めていたのも特徴です。
日本には寿司の情報が
あふれているから、
という理由でした。
2020年4月には
コロナ禍で店が営業停止に。
それでも
「SNSに全力投球できるチャンスだ」
と考え、
毎日動画を撮り続けたといいます。
東海テレビの取材では、
最初はYouTubeに
「おいしそうな映像」を
上げていたものの
あまりウケず、
TikTokに切り替えたと
話していました。
TikTokのフォロワーは
1年で100万人に達し、
それからYouTubeに戻った、
という流れだそうです。
いま見られる
YouTubeでいちばん古い動画は、
2021年3月の
「断り続けたテレビに初出演!!」です。
説明欄には
「創業以来断り続けてきたテレビ取材に
今回初めて出演いたしました」
とあります。
コロナ禍の飲食店を応援し合いたい
という思いから受けた取材だったようです。
人気の理由は「ギャップ」
東海テレビの取材で、
受けている理由を聞かれた
シェフヒロさんの答えは、
「やっぱりギャップですね」
でした。
市場では
夜明け前から魚を選ぶ職人なのに、
動画では握った寿司を食べたり、
踊ったりします。
市場の関係者も
「現場に来るとピリッとして」
「背筋が伸びる」と
話していたほどです。
そんな人が踊るわけですから、
目を引くのも分かりますよね。
2026年10月2日に
当サイトが測った数字では、
YouTubeの登録者は181万人。
動画のほとんどが
3分以下の短い動画で、
題名や説明は英語が中心です。
いちばん見られている動画は、
2023年7月の
タコのしゃぶしゃぶで、
同じ日の時点で
約4,203万回でした。
撮影は昼の営業のあとで、
2時間かけて
1分ほどの動画に仕上げるそうです。
2024年の取材の時点では、
撮影と編集は
奥さんが担当していると
東海テレビは伝えています。
海外からのお客さんと話せるように、
毎日30分、
英語の勉強もしているとのこと。
「本当、舞台なもんで、
どう楽しませるか」
という言葉からは、
店の中も
動画と同じ「見せる場」だと
考えていることが伝わってきますね。
TikTokで「International Creator of the Year」を受賞
TikTok Japanが
2024年12月に発表した
TikTok Awards Japan
(2024年)では、
シェフヒロさんが
International
Creator of the Year
に選ばれました。
国境を越えて
世界のユーザーに影響を与えた
クリエイターに贈る賞で、
この年は16のカテゴリーで
受賞者が発表されています。
同じ12月には、
マラソンの高橋尚子さんが
3組のゲストと対談する
TikTokのCMにも
登場しています。
TikTok Japanの紹介では、
2024年12月時点の
TikTokのフォロワーは
300万人超でした。
SNSのフォロワー数は、発表のたびに大きくなっている
SNSを合わせたフォロワーの数は、
発表元と時期によって
数字が違います。
東海テレビ(2024年3月)は
「800万人を超える」、
スタジオパーソル(2024年7月)は
「900万人を超え」、
メ〜テレの「ドデスカ+」の特集
(2025年9月放送)は
「1300万人を超える」としていました。
どれも各社の紹介の数字で、
当サイトでは
合計を確かめられていません。
自分で測れたのは
YouTubeの181万人だけです。
それでも、
1年半で発表される数字が
800万から1300万へと
大きくなってきました。
まとめ
シェフヒロさんは、
愛知県春日井市の「寿司竹」の
2代目大将です。
寿司屋にはなりたくなかった人が、
近所の娘さんに作った雑炊をきっかけに
仕事のやりがいを見つけ、
45歳でSNSを始めました。
スタジオパーソルのインタビューでは、
「50歳になったら寿司職人を辞めて」
自由にやろうと決めていた、
とも明かしています。
それでも続けているのは、
動画を見た人から
力をもらったと言われ、
「自分が20年以上頑張ってきたことは、
こんなにたくさんの人を
笑顔にできることだったんだ」
と気づいたからだそうです。
笑顔にできるのは、
店だけなら1日数十人、
SNSなら1日何十万人。
寿司屋の仕事が楽しくなったという言葉は、
なりたくなかった仕事を
1996年から続けてきた人だからこそ、
重みがあるのかもしれません。




















