1月3日になると、おせちの動画が出る。『変な家』の雨穴(うけつ)が、白い仮面のままオモコロの工作記事から展覧会まで来た道
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白い仮面に黒いタイツの姿で
『変な家』を書いた作家として、
雨穴(うけつ)の名前を
知った方も多いのではないでしょうか。

 

どんな人なのか調べようとしても、
仮面の奥のことはなかなか
分からないので、
かえって気になってしまいますよね。

 

そこで今回は、2026年10月31日に
公開中だった全56本の動画の一覧と、
オモコロの記事の一覧、
本人の会見や取材を調べてみました。

 

一覧を並べてみると、
1月3日にだけ現れる動画が
あることも分かってきました。

 

数字は2026年10月31日に
当サイトがYouTubeの
APIで測った値です。

雨穴のプロフィール!名前の由来は?

雨穴さんはホラーやミステリーを
得意とする作家でありながら、
ウェブライターでもあり、
YouTuberでもあります。

 

YouTubeチャンネルの開設は
2018年6月19日です。

 

2026年10月31日の時点で、
登録者は204万人、
総再生は2億8,166万回ほど、
動画は56本でした。

 

8年余りで56本ですから、
本数はかなり少ないほうですね。
そのうち3本は、1時間を
超える長さの動画です。

 

名前の由来は、2025年1月の
記者会見で語られています。
オモコロの先輩ライターである
夢顎さんを尊敬していて、
無関係な漢字を2文字並べた
その名前にならったそうです。

 

そして「雨」の日が好きで、
「穴」の中のような
「暗〜くてジトジトした場所が
好きなので、「雨穴」にしました」
と話していました。

本名や素顔、性別は?

ここがいちばん気になる方も
多いかもしれませんね。

 

Real Soundの2024年8月の
記事は、雨穴さんを「本名や素顔、
地声などが非公開の
覆面ホラー作家」と紹介しています。

 

動画の声も、ボイスチェンジャーを
使ったものだと同じ記事にあります。
今回読んだ資料にも、本名や
素顔は載っていませんでした。

 

性別についても、今回読んだ
会見や取材の中に、本人が
語っているものはありませんでした。
少し肩透かしかもしれません。

 

ただ、隠している理由を聞かれた
場面の答えは残っています。
先ほどの会見で、雨穴さんは
初めて報道陣の前に現れました。

 

そこで「なぜ身を隠すのか」と
問われて、返した言葉がこちらです。

 

「私は、仮面を脱ぐと実は
国民的大スターだった──
ということは全くなくて。
おそらく、犯罪者──でも
ないと思います。」

 

さらに、本の帯に写真を使って
売り上げが伸びたと出版社から
聞き、「それならいいのかな」と
考えたとも話しています。
最初の一言で質問を笑いに
変えるところが、雨穴さんらしいですね。

オモコロの工作記事から動画へ

雨穴さんの原点はWebメディアの
オモコロです。
著者ページの最も古い面には、
2018年5月25日の
「ごめんね、前世」が
載っていました。

 

その後に並ぶ題名が独特です。
7月は「肉をベランダに干す」、
9月は「【工作】うさぎの鼻が
好きなので巨大化してみた」、
11月は「自宅のトイレを
「悪のアジト」に改造する」でした。

 

文章のライターというより、
作って見せる人だったようです。

 

チャンネルの開設と同じ
2018年6月19日の日付で、
「【動画あり】友達がいないので
一人でバンドを組んで
演奏してみた」という記事も
出ていました。

 

公開中の動画でいちばん古いのは、
その翌日の2018年6月20日に出た
「(曲)ギターちょろちょん」です。
2分7秒の短い動画でした。

ホラー作家の動画としては、
少し意外な題名かもしれませんね。

 

2019年6月には「皮膚おりがみ」
という動画も出ています。
同じ名前の品が、のちの展覧会の
グッズとしてReal Soundの記事に
挙がっています。

動画『変な家』が本と映画になるまで

転機は2020年でした。
KAI-YOUの記事によると、
オモコロで公開した記事
「変な家」が大ヒットしたそうです。

 

YouTubeの動画版は
2020年10月30日に公開されました。
長さは21分55秒です。

再生は2,598万回ほどで、
チャンネルの1位です。
2位の「差出人不明の仕送り」が
1,432万回ほどですから、
約1.8倍になります。

 

2021年7月31日には、
書籍化を知らせる動画が出ました。
双葉社の2026年1月の発表は、
2021年刊行の『変な家』
(飛鳥新社)をデビュー作としています。

 

映画は2024年3月に公開されました。
日本映画製作者連盟の
2024年のデータをまとめた
オリコンの記事では、
興行収入は50.7億円です。

 

2025年10月24日には、
作り直した「【完全版】変な家
(全新録)」も公開されました。
長さは1時間44分21秒あり、
元の動画の5倍近くになっています。

 

KAI-YOUは、この完全版を
「まずは、一枚の間取り図を
ご覧ください」という一言から
始まる不動産ミステリーと
紹介しています。

1月3日になると出る「おせち」の動画

全56本を日付で並べて、
いちばん驚いたのがここです。
題名に「おせち」が入る動画は
7本あり、すべて1月3日の公開でした。

 

2020年 奇妙なおせち
2021年 おせち(DXエディション)
2022年 おせちをもとめて
2023年 恋愛シュミレーションゲーム
「おせちプリンセス」
2024年 おせち系YouTuber
2025年 マルチおせち
2026年 【おせちミステリー】
エビはどこへ消えた?

 

7年続けて、毎年1月3日です。
時刻も18時台から20時台に
収まっていました。

 

再生がいちばん多いのは
「おせちプリンセス」で、
379万回ほどでした。
本数の少ないチャンネルで、
ここだけは年に1回の
決まりごとになっているようです。

 

なぜ1月3日なのかは、
今回読んだ資料からは
分かりませんでした。
元日や2日ではなく3日という
ところが、どうにも気になりますね。

 

ちなみに展覧会を伝えた
Real Soundの記事にも、
「2020年の「奇妙なおせち」から
2026年の最新作まで全7作」と
ありました。
本数は当サイトの数えと同じです。

小説に持ち込んだ「離脱」への恐怖

小説は『変な家』のあと、
2022年に『変な絵』、
2023年に『変な家2』、
2025年10月31日に『変な地図』と
続いています。

 

東洋経済オンラインの
2025年12月の取材で、
本に図や箇条書きを差し込む
書き方について聞かれた
雨穴さんの答えが印象的でした。

 

「YouTubeもWEBライティングも、
ユーザーが少しでも話が
わからなくなったり、途中で
退屈だと思われたりしたら、
すぐに離脱されます。
その恐怖とずっと戦ってきました。」

 

読者を引き留めてきた経験が、
本の作りにもつながっているようです。
先の会見でも、画像とその説明文が
必ず同じ見開きに収まるように
していると話していました。

 

ただ、基礎になっている作家として
挙げたのは江戸川乱歩でした。
ネットの技術だけで書いている
わけではないようですね。

 

部数は数字ごとに範囲が違います。
2026年1月の発表では、紙と電子、
コミックス、翻訳版を含む
著者累計が850万部でした。

 

2026年9月の双葉社の発表では、
「変なシリーズ」の全世界累計が
1000万部とされています。
数える範囲が同じとは限らないので、
単純な伸びとしては読めません。

 

海外でも読まれています。
同じ発表によると、『変な絵』の
英訳版である
『Strange Pictures』は、
英国推理作家協会のダガー賞の
翻訳部門で最終候補に選ばれました。

 

翻訳の決定先は、2025年1月の
会見では30か国でしたが、
2026年9月の発表では
40の国と地域となっています。

アーティストデビュー、展覧会、そして『雨穴の家』

2026年は活動の幅がさらに
広がった年になりそうです。

 

KAI-YOUの4月23日の記事に
よると、NHK総合の
「ドキュメント20min.」で、
テレビを題材にした新作の制作に
密着する回が、4月27日に
初回放送の予定でした。

 

その2日前の4月25日には、題名に
「TVミステリー」と入る動画も
公開されています。
両者が同じ作品かどうかまでは
確かめられませんでした。

 

7月には音楽レーベルの
「Echoes」から、アーティストとして
デビューしています。
アニメ『レッツゴー怪奇組』の
エンディング主題歌
「呪わしてね?」は、作詞も作曲も
雨穴さん自身だそうです。

 

宣伝会議のAdverTimesによると、
初の大規模な展覧会
『雨穴の変な世界展。』は、
東京・天王洲の寺田倉庫G1ビルで
10月23日に開幕し、
会期は2027年1月17日までです。

 

Real Soundの案内では、
『変な家』の舞台を3分の1の
大きさで再現した模型のほか、
オモコロの工作記事
約20作品の展示もあるそうです。
ベランダの肉の時代からの
歩みをまとめて見られそうですね。

 

新刊は『雨穴の家』です。
2026年9月の発表の時点では、
2026年11月13日に双葉社から
発売予定と案内されています。

 

活動の記録をたどる部分と、
140ページに及ぶ新作ミステリー小説が
ひとつにつながる本で、
初めて「雨穴宅の間取り」も
明かされるとのことです。

 

間取り図で世に出た作家が、
自分の家の間取りを出すわけです。
どんな図が載るのか、
気になるところですね。

 

先の東洋経済の取材で、
今後の目標を聞かれた雨穴さんは
「処世術として、目標を
持たないようにしています」と
答えていました。

 

それでも1月3日の動画だけは、
来年も出るのではないかと
つい見てしまいそうですね。

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