
2025年3月3日、
綿貫渉さんは
鹿児島空港から
中福良駅まで歩く動画を
公開しました。
ちょうど10年前の
2015年3月3日に上げた
最初の動画を、
同じ道で
撮り直したものです。
その最初の動画を
上げたころ、
綿貫さんは
首都圏のバス会社の
社員でした。
その後JRに移り、
駅員と車掌を経て
2021年8月31日に
退職しています。
この記事では、
本人のnoteと
動画の概要欄、
2023年の取材記事、
2026年11月7日時点の
公開動画1,176本の
投稿記録から、
職歴とチャンネルの
変わり方をたどります。
登録者数や本数、
再生回数は、
2026年11月7日
午前0時45分ごろに
当サイトが測った値です。
綿貫渉チャンネルの現在(2026年11月7日時点)
綿貫渉/交通系YouTuberの
ハンドルは
「@wataru_w」です。
2026年11月7日時点の
登録者は19.1万人、
動画は1,198本、
総再生回数は
1億1,659万回あまりでした。
1,198本のうち
22本はメンバー限定で、
誰でも見られる動画は
1,176本です。
チャンネルの概要欄は、
作っている動画を
「他に誰も上げていない内容」
「動画のメリットを
最大限生かせる」
「新たな発見がある」
の3つで説明しています。
経歴の欄は
「学士(地理学)。
前職はバス会社総合職
および鉄道会社の
駅員・車掌。
JR全線完乗達成。」
という書き方です。
もう一つ目を引くのが、
「誤りを見つけた場合は
固定コメント欄にて
訂正しています」
という一文ですね。
綿貫さんは
2025年6月の動画で
「今年で35歳になる」と
話しています。
取材では
12月生まれと答えているので、
2026年11月7日時点では35歳、
12月の誕生日で
36歳になる計算です。
サブチャンネルの
「ワタヌキワタル
(専業系YouTuber)」も
あり、こちらは
2026年11月7日時点で
登録1.46万人でした。
駅員のアルバイトから、桜島のバスの卒論へ
綿貫さんは、
子どものころから
乗り物が好きだった
わけではないそうです。
2023年11月30日の
ワニブックスNewsCrunchの取材では、
「中学生まで新幹線に
乗ったことがなかった」
と話しています。
きっかけは、
高校に入って探した
アルバイトでした。
「16歳以上」の求人が多く、
12月生まれの綿貫さんは
応募できなかったそうです。
そんなときに
近所の駅で見つけたのが、
「高校生以上歓迎」の
駅員の募集でした。
改札の案内や精算、
ラッシュ時の構内放送を
担当しました。
駅名を覚えようと
路線図を見ているうちに、
行ったことのない場所まで
線路が延びている
奥深さに気づいたといいます。
高校卒業後は
駒澤大学文学部の
地理学科へ進みました。
ゼミの研究では、
鹿児島県の桜島を走る
路線バスに2日間乗り続けて、
利用状況を調べています。
卒業論文もバスで書き、
新卒で入ったのは
バス会社の総合職でした。
10年前の最初の動画が
鹿児島の空港だったのも、
少し縁を感じますね。
バス会社の運行管理から、JRの駅員・車掌へ
本人のnoteによると、
2014年3月に大学を卒業し、
4月にバス会社へ入社。
2015年9月に退職して、
2016年4月に
鉄道会社へ入っています。
YouTubeのチャンネルを
開いたのは2015年3月。
最初の動画は、
バス会社にいた時期に
上がっていたことになります。
バス会社では、
入社してすぐは本社で
フリー切符の企画に関わり、
その後は営業所で
バスの運行管理を
任されたそうです。
営業所に届く忘れ物で
いちばん多いのは傘で、
雨の日には
傘の束が時間を追うごとに
増えていったと話しています。
鉄道会社へ移ったのは、
「鉄道の乗務員に
なってみたい」と
考えたからでした。
運転士の養成には
年齢制限を設ける会社が多く、
このタイミングを逃したら
運転士にはなれない、
と思ったそうです。
noteには
「将来の目標は主任運転士」
「鉄道会社で定年まで
働こうと考えていた」
とも書かれています。
車掌になるのに
1年留年してしまった、
ということも
noteには書かれていました。
同期の多くは
入社から2年半で
車掌になっていたそうです。
「元・日本一遅い終電」と、書き足された訂正
本格的に動画を
作り始めたのは、
鉄道会社に移って
2年目の2017年からでした。
それまでは
旅の写真をブログに載せても
ほとんど見てもらえなかった、
と振り返っています。
2026年11月7日時点で
公開中の動画を
年ごとに数えると、
2015年が1本、
2016年が0本、
2017年が45本です。
手応えを感じたのは、
2017年11月10日に出した
高崎線の終電の動画
だったそうです。
午前1時37分に
高崎へ着く最終列車を
「日本一遅い終電」として
撮りにいったものの、
ダイヤ改正で
2番目になっていたと
あとで気づいたといいます。
いまの題名は
「【元・日本一遅い終電】
高崎線高崎行き最終に乗車
【午前1:37着】」です。
概要欄の冒頭には
「訂正:当列車は
2010年~2016年の間に
日本一遅い終電として
活躍しており」
と書き足されています。
この動画は
2026年11月7日時点で
12万9,151回
再生されていました。
取材では、
この動画が
「5万回くらい再生されてから、
徐々に登録者数も
増えていって」
と話しています。
この動画では
訂正を概要欄に書き足していて、
いまのチャンネル概要欄も、
誤りは固定コメント欄で
訂正すると説明していますね。
運転士試験の結果を知らないまま、2021年8月31日に退職
節目の動画の
題名と日付をたどると、
登録者は
2018年9月に1万人、
2020年8月末に5万人、
2021年5月に6万人と
増えていきました。
一方で、
鉄道会社の仕事との両立は
難しくなっていきます。
取材の2ページ目では
「仕事との両立が
難しくなってきたことが、
退職を決めた
最大の理由です」
と答えています。
運転士になるための試験も
受けていましたが、
合格したあとにも
1年ほどの研修があります。
その結果を知らないまま
会社を去ったことを、
2023年の取材で
「少し心残り」と
話していました。
退職は
2021年8月31日です。
その日に撮って
編集した動画は、
しばらく公開されませんでした。
4年後の2025年6月、
サブチャンネルで
「【2021年撮影】
今日、鉄道会社を
退職しました」
として公開されています。
辞めた時点では、
YouTubeで暮らしていくのは
「ギリギリのライン」だと
思っていたそうです。
それでも、
会社員時代の貯金があり、
あまり不安は
感じていなかったと
話しています。
退職の翌月から、動画が長くなった
公開動画の尺を
退職の前後で比べると、
はっきりした違いがあります。
2026年11月7日時点で
公開されているライブ配信の
37本は除いて数えました。
2021年1月から8月の
119本は、
尺の中央値が9.8分。
10月から12月の
18本は32.7分でした。
投稿の間隔も変わりました。
9月20日までは
ほぼ2日ごとでしたが、
9月25日からは
5日ごとの投稿に変わりました。
その9月25日の
「【新宿→松本】
最速で走る特急あずさ17号に
乗車!」が、
ライブ配信を除くと、
退職後で最初の
30分を超える動画でした。
30分以上の動画は、
2021年8月までの
798本では4本だけ。
2021年9月から
2026年11月7日までの
341本では190本あります。
再生回数にも
差が出ています。
2026年11月7日時点で
100万回を超えていた7本は、
すべて2021年10月以降の
投稿でした。
最初の1本は
2021年10月15日の
東京九州フェリーの乗船記で、
2026年11月7日時点で
154万回を超えていました。
2026年11月7日時点で
再生が多かった上位2本は、
2022年8月13日の
「【15時間】
夜行バスの王様「はかた号」
個室。実は超快適」と、
2022年10月30日の
深夜便のフェリーの乗船記で、
どちらも242万回を超えていました。
2023年5月17日の
Real Soundのコラムも、
「数十分~1時間以上の
長尺動画が多い」と
紹介しています。
同じコラムは、
綿貫さんをおもしろいと
評する視聴者に
「独創的」という声が
多いとも書いていました。
動画を長くした理由を
本人が説明した文章は、
今回読んだ範囲には
見つかりませんでした。
形が変わった時期が
退職と重なることは、
投稿の記録から読み取れます。
2024年8月には、
国道を使わずに
東京から大阪まで行く
3時間あまりの動画も
出しています。
4冊の本と、スーツさんの事務所
退職の翌年の
2022年5月9日には、
初めての著書
『怒鳴られ駅員の
メンタル非常ボタン』
(KADOKAWA)が出ました。
告知の動画の概要欄には、
「本を出すからといって
当チャンネルの方針が
大きく変わったりとかは
ありません」
と書かれています。
2023年9月26日には、
二見書房から
『逆境路線バス職員日誌
車庫の端から日本をのぞくと』
が出ています。
二見書房の発表によると
240ページで、
はかた号の乗車記や、
テレビ東京の
「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」
のプロデューサーとの対談も
入っているそうです。
このほか
『眠れなくなるほど面白い
図解 鉄道の話』
(日本文芸社)があり、
2025年4月の動画からは
『鉄道車掌トラブル日誌』も
著書の欄に並んでいます。
2025年6月23日には
「【ご報告】
事務所を辞めました」
という動画を出しました。
所属していたのは、
鉄道系YouTuberの
スーツさんが作った
観光誘致株式会社です。
所属は2年ほどで、
その間も
上げたい動画を
好きなように上げてきた、
と話しています。
企業案件については
「この2年間全然
案件を受けていません」
とのこと。
交通のような得意な分野しか
受けないようにしていたそうです。
辞めた理由としては、
規模を広げるより
「自分のできる範囲で
やりたいことをやろう」
という気持ちが大きいことを
挙げていました。
いつか転職するときに
スムーズに動けるよう、
チャンネルを
自分の管理できる範囲に
置いておきたかった、
とも話しています。
同じ動画では、
YouTubeを始めたのは
スーツさんの
「最長往復切符」の動画を
見たのがきっかけだった、
と明かしていました。
「辞めるときは
「辞めます」と宣言してから
引退します」
という言葉もあります。
2026年11月7日時点の
最新の投稿は、
10月31日の
国道464号の走破動画でした。
「セルフ出向中」と書いた、入社10周年のnote
2026年4月1日、
綿貫さんはnoteに
「鉄道会社に入社して10周年」
という文章を載せました。
会社を辞めてからも
同期とは毎月のように
交流が続いていて、
「心は今でも
鉄道会社の社員だ」
と書いています。
いまの活動は、
グループ会社に出向して
働いているような
気持ちなのだそうです。
「今はセルフ出向中」で、
それが終わったら
カムバック採用を受ける
計画だと書き、
「受かるかは分からないが」
と付け足していました。
2023年の取材の時点で、
運転士の試験の結果は
知らないままでした。
2025年6月の動画では、
「綿貫渉が電車の運転免許に
チャレンジ!」
のような企画を、
鉄道会社に向けて
募ってもいます。
バスの営業所から
駅の改札、
車掌の乗務を経て、
いまは動画で
公共交通を伝えている綿貫さん。
いつか運転席に座る回が
見られるかもしれませんね。



















