火葬場で働くのは「どこにでもいる、普通の人たち」。元職員の下駄華緒さんが、YouTubeで火葬場の仕事を語り始めたわけ
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火葬場の仕事の話を、
YouTube で
話し続けている人がいます。

 

元火葬場職員の
下駄華緒さんです。

 

チャンネルの名前は
「火葬場談義
(旧下駄のチャンネル)」。

 

2026年10月の動画の題名を並べると、
火葬場で渡される書類、
火葬場の建設費用や工事、
棺がエレベーターに
入らないときどうするか、
といった言葉が続きます。

 

火葬場の「中の人」が、
仕事の段取りを
外に向けて話している
チャンネルと言えそうですね。

 

この記事では、
公開されている動画の
題名と説明欄、
週刊女性PRIME、
文春オンライン、
週刊現代のインタビュー記事から、
下駄さんの歩みを
たどってみます。

 

登録者数や本数、
再生回数は、
2026年11月7日
午後0時44分ごろに
当サイトが測った値です。

 

動画そのものは視聴しておらず、
題名と説明欄、
YouTube の公開データ、
記事の記述をもとにしています。

火葬場談義の数字(2026年11月7日時点)

火葬場談義(旧下駄のチャンネル)は、
2020年9月6日に
開設されたチャンネルです。

 

2026年11月7日時点の登録者は
11.5万人、
総再生回数は
約3,473万回、
YouTube が示す動画の数は
1,230本でした。

 

いちばん多く
動画を出した年は2021年で、
1年に369本が
公開されています。

 

投稿は
いまも続いています。

 

2026年10月8日から
11月6日までの30日間に
公開された動画は26本で、
26本とも
午後7時の公開でした。

 

ほぼ毎日、
夜7時に1本、
という形が
いまの決まりのようです。

 

再生回数がいちばん多いのは、
2024年9月30日の
「「編集版」直葬の実態を伝えます」で、
2026年11月7日時点で
約151万回でした。

 

告別式をせずに
火葬だけを行う「直葬」を
題名に掲げた動画は、
2021年12月から2026年9月までに
6本ありました
(2026年11月7日時点)。

 

直葬は、
このチャンネルが
繰り返し取り上げてきた
題材の一つと言えそうですね。

先輩に聞いて応募した、火葬場の仕事

下駄さんが
火葬場で働くようになった経緯は、
2つのインタビューに出てきます。

 

週刊女性PRIME(2021年6月21日)は、
「火葬場職員となったのは
知人の紹介。
たまたま募集していたことも
ありひょんな成り行きだった」
と書いています。

 

文春オンライン(2023年11月12日・仲奈々さんの取材)では、
下駄さん本人が
もう少し詳しく話していました。

 

「地元の先輩が
火葬場職員だったんですよ。
『資格とか特別な技能が
必要なんですか?』って聞いたら
『なにも必要ない。
興味があるなら、
求人誌で普通に募集しているよ』と
教えてくれて、
応募しました」

 

資格の要らない、
求人誌に載っている仕事だった、
ということですね。

 

働き始めて驚いたのは、
職場が想像以上に
「普通」だったことだそうです。

 

「仕事は真面目に取り組んで、
休憩時間は
『今日の夕飯どうしよう』
なんて雑談で盛り上がる。
近所のコンビニやスーパーで
働いている人たちと
何も変わらないんです」

 

一方で同じ記事では、
「火葬場職員というだけで
色んな意味で“差別”されるんですよね」
とも語っています。

 

週刊現代(現代ビジネス・2023年12月9日)は、
下駄さんを
「元火葬場・葬儀屋職員」と紹介し、
「これまでに1万人の
ご遺体を見送ってきた」
と書いていました。

 

週刊女性PRIMEの写真説明も
「1万体以上の火葬に
立ち会った」としていて、
数字はおおむね揃っています。

 

ただ、火葬場や葬儀の会社で
何年働いたのか、
どこの施設だったのかは、
当サイトが読んだ資料には
書かれていませんでした。

 

仕事を続けるうちに、
死の受け止め方も
変わったそうです。

 

「初めのころは僕も、
死とは非日常的なものだと
思っていました。
しかし火葬が
生活の一部になっていくと
その考えも変わりました」
(週刊女性PRIME)

「普通の人たちが働いている」と伝えるために

YouTube を始めた理由も、
文春オンラインで
本人が説明しています。

 

「火葬場で働く人たちの
日常を発信すれば、
『どこにでもいる、
普通の人たちが働いているんだ』と
徐々に浸透していくはず。
(中略)
そう考えて、
YouTubeでの発信を始めました」

 

(中略)の部分では、
発信が広まれば、
特別視されることに
あぐらをかいていた職員たちも
変わらざるを得なくなるはず、
とも話しています。

 

外の人に知ってもらうことと、
業界の内側が変わること。
その両方を
狙っていたようです。

 

公開されている動画で
いちばん古いのは、
2020年9月6日の
「火葬場奇談始めます」です。

 

 

1分37秒の短い動画で、
説明欄には
「元火葬場職員が語る
火葬場で起こった
実際の出来事や
体験談をお伝えします。
多くは語られない
火葬場のリアルを
体感してください。」
とあります。

 

同じ9月のうちに、
「火葬場職員の給料は?
なり方は?」
という題名の動画も
出ていました。

 

最初の月から、
仕事そのものに
目が向いていたようです。

 

題名を見ていくと、
2020年10月に登録者1000人、
11月に1万人、
2021年9月の1周年の配信で
5万人と、
節目が続いています。

マニュアルどおりと、その場の判断

インタビューで
下駄さんが話している内容は、
現場の段取りが中心です。

 

「火葬場にも、
通常の会社のように
マニュアルがあって、
『お骨上げのときは、
どこの骨か
ひとつひとつご遺族に
説明しましょう』といった内容などが
記載されています。
ただ、ひとりひとり
亡くなり方も
ご遺族との関係も異なるので、
臨機応変に
対応を変えることがほとんどです」
(文春オンライン)

 

見送る側が
知っておくとよいことも
話しています。

 

週刊女性PRIMEでは、
棺にメガネを入れるのは
「もっとも避けるべきもの」
と答えていました。

 

ガラスや金属が
高温で溶けて喉仏に付くと、
ほかの骨にもへばりついて
外せなくなるから、
という説明です。

 

同じ記事では、
「近年、火葬場は
『斎場』と呼び名を変え、
煙が出ない炉を
設置しているところも多い」
とも話しています。

 

遺族から
「聞きたいことがあっても、
なんとなく怖くて
職員さんには聞きづらい」
という声を何度も聞いてきた、
とも語っています(文春オンライン)。

 

チャンネルを見ると、
公開されている動画の題名のうち
330本に疑問符(?)が付いていました
(2026年11月7日時点)。

 

聞きづらいことを
代わりに聞いて答える、
そんな役回りを
引き受けているようにも見えます。

漫画の原案になり、現役の職員が「参考書」に

YouTube で話してきた経験は、
漫画にもなりました。

 

2021年9月24日、
コミックエッセイ
『最期の火を灯す者
火葬場で働く僕の日常』が
竹書房から出ています。

 

週刊現代によると、
原案が下駄華緒さん、
漫画が蓮古田二郎さんで、
「重版を重ねるヒット作」。

 

2023年10月には
第3巻が出ました。

 

文春オンラインは、
第1巻が
2023年11月8日時点で
Amazonの女性マンガ部門の
売れ筋ランキング1位だった、
と書いています。

 

部数については、
チャンネルの概要欄に
「累計23万部突破!」と
書かれています
(2026年11月7日に確認)。

 

ただ、動画の説明欄には
20万部と書いたものや、
30万部と書いたものもあり、
本人の発信の中でも
数字は揃っていませんでした。

 

読者には、
同じ業界の人もいるようです。

 

週刊現代では、
「葬祭業やお坊さん界隈にも
人気があるそうです」
と話しています。

 

文春オンラインでは、
さらに踏み込んだ話が
出てきます。

 

「現役火葬場職員から、
『下駄さんのYouTubeで学んでいる』
『コミックを参考書にしている』と
ご連絡をいただくんです」

 

人口の少ない地方では
職員が1人で
火葬場を回していることも
珍しくないそうで、
「火葬の仕方を
教えてくれないか」と
相談されたこともあるそうです。

 

記事によると、
相談者の勤める火葬場を訪ねて
火葬のレクチャーをしたことも
何度かあるといいます。

 

外に向けて始めた発信が、
同業の人の
教材にもなっていた、
ということですね。

「火葬場談義」へ、そしてほぼ毎日の夜7時

番組の呼び名は、
これまでに
2度変わっています。

 

動画の説明欄の冒頭を
古い順に見ると、
2023年春ごろまでは
「火葬場奇談」、
そこから2025年3月までは
「下駄のチャンネル」でした。

 

2025年4月1日に
「[新シーズン]火葬場談義始めます」
という動画が出て、
この日から
説明欄の呼び名が
「火葬場談義」になっています。

 

 

この回の説明欄には、
火葬場の質問を
ホームページで受け付けていて、
動画内で紹介する
可能性もある、
と書かれていました。

 

名前を変えた理由は、
題名と説明欄からは
分かりませんでした。

 

最近の題名には、
「火葬場の工事、
こんな感じでやっています」
(10月29日)、
「日本で実際に走っていた
霊柩電車の話」
(11月2日)などが並びます。

 

10月31日には、
冒頭で触れた
「棺がエレベーターに
入らない時どうするの?の答えです」
が出ていました。

 

 

視聴者が疑問に思いそうなことに、
元職員が答えていく。
いまの火葬場談義は、
そんな番組のようですね。

 

チャンネルの概要欄には、
講演会の依頼を
受け付けている旨も
書かれています。

怪談師としての顔と、名前のこと

下駄さんには、
怪談師としての顔もあります。

 

動画の説明欄の自己紹介には、
「プロのミュージシャンの傍ら」
怪談や火葬場の経験談で
トークライブを開き、
2019年に竹書房主催の
「怪談最恐戦」で
優勝したと書かれています。

 

2025年11月には、
ドワンゴが
プレスリリースで、
「元火葬場職員の怪談師」として
下駄さんの冠番組を
「sheeta」で始めると
発表していました。

 

初回のゲストは、
当サイトでも紹介した
ウマヅラビデオです。

 

このチャンネルにも
2025年11月15日に、
「#1 【生配信】初回ゲストは
ウマヅラビデオの3人!
【続きはsheetaへ】」
という動画が公開されています。

 

ちなみに、
「下駄華緒」という名前が
本名かどうかは、
当サイトが読んだ
概要欄や説明欄、
インタビュー記事のどれにも
書かれていませんでした。

 

文春オンラインの最後で、
下駄さんは
火葬場について
こう話しています。

 

「火葬場は、
生前の肩書きに関係なく、
誰もが最期に行き着く場所です。
だからこそ、
誰にとっても開かれていて、
平等な場所になってほしいですね」

 

夜7時の動画は、
その場所を
少しずつ開いていく
作業なのかもしれませんね。

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